毎月この1か月間にお会いした人、会社の中から、私が選ぶ The most impressive Meeting(最も印象に残る出会い)を皆様にご紹介してまいります。
今月はコロナ自粛ということで書籍を紹介します。神田昌典さん著「不変のマーケティング」(フォレスト出版)です。テーマは「お客様の心を動かすマーケティング」です。
ところで、最近私は立て続けに「おっ!」と思うチラシを見ました。
l 1つは不動産仲介のチラシです。この手のチラシは毎日多い時で10枚ほどポストに入っており特に必要も関心ないのでゴミ箱に直行しています。しかしこのチラシに私は目が留まり、思わず内容を読んでしまいました。
なぜか?表はよくあるカラーでイラストがあり不動産物件募集です。しかし、裏面が白黒の毛筆手書きで「緊急!」と大きく見出しがあり、このマンションを指名で欲しがっている人がいる、ついては売却、賃貸を考えていればすぐ連絡いただきたい、という内容が書かれていました。その筆運びから切迫感が伝わってくるようでした。
l もう1つはある会社が毎年行っているお客様感謝祭を今年は中止せざるをえないというお知らせのチラシでした。こちらは普段社内で使っているであろう社名の入った便箋に社長が手書きで書きコピーして配っている風でした。お世辞にも美文字というわけでないその手紙の即席感とは裏腹に、感謝祭を楽しみにしてくれていたお客様に対し申し訳ない気持ちと悔しい思いが、手書きのチラシから切々と伝わってきて感動し最後まで読んでしまいました。
この2枚に共通することは何でしょうか?
ここで神田昌典さんとこの書籍の紹介をします。神田さんは日本一のマーケターとして多数の著作、講演、経営指導を行っている経営コンサルタント、作家です。その神田さんが主催する4000を超える中小企業経営者が集う勉強会「実践会」で行った売上増ノウハウを、実例をふんだんに盛り込み、そのマーケティングの本質を解説しているのが今回紹介する書籍です。よって私たちも同じことがすぐできるヒント満載の実用書です。
さて、本書のなかで神田さんが多くのメンバーと実践してきて到達した結論は、ビジネスは最終的には「人と人の営み」であり、その本質はどんな時代でも「不変」だということ。そこを押さえておけば、大不況や大変革の波が押し寄せても成功できるということです。
「人と人の営み」であるのだから、いかにお客様の心に響くか、ビジネスはお客様の感情を揺さぶらなければならないと言います。「エモーショナル」に訴えかける「感情マーケティング」を提唱しています。
書籍の中でいくつも成功例が紹介されていますが、冒頭私が「おっ!」と心を動かされたチラシと同じです。私はチラシを見た時に、「なんじゃ、このチラシは???」と自分の想定を超え心が揺さぶられる反応をしたということです。
マーケティングの技術は進歩が速く、Web、ビッグデータ、AI、サブスク、などなど次々登場します。しかし皆が同じ方向に飛びつくため、結果似たり寄ったりの予定調和、無個性になりがちです。その中でいかに自社に注目していただけるか、そのカギは昔も今も「お客様の心」に響くかということです。私たちが提供する商品・サービスはお客様の感情に訴えるものでなければ、買っていただけません。
本書ではそのためのマーケティング方法をたくさん紹介しています。コロナショックによりビジネス環境は大変革を迎えるといわれます。その中でどのような戦略をとるか、悩む方もいらっしゃるでしょうが「人と人の営み」であるビジネス不変の原理原則を踏まえ、共に前に進みたいものです。
「危機という言葉には、危険と機会が一緒に入っている」 ピンチはチャンス!
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