私がコンサルティングをしている『営業プロセス研修』のエッセンスを、数回に分けてお伝えしています。
今回は『目標達成の逆算思考プロセス』というテーマでお届けします。
新入社員の方の中にはすでにフィールドに出て営業活動をされておられる方もいらっしゃるでしょう。営業に限らずビジネスマンに目標達成は付き物です。5月ということで、特に新人の方向けに目標達成のコツをお伝えします。
さて、突然ですが、ここにあみだくじがあります。A、B、C、Dと選べますがその先に一か所「アタリ」があるわけです。
さて、どれを選びますか?と言われても、カンで選ぶしかないですよね。あみだくじなんですから。
でも、「アタリ」の位置がどこか分かっていると?当然「アタリ」から逆に辿ってくじを選びますよね。逆算思考とはそういうことです。ゴールがわかっているから選べるのです。
営業目標に限らず、人生も仕事もゴールを明らかにしてからの逆算が大切です。
特に新人の方は、将来どうなりたいのか?何をしたいのか?そのゴールが明確になれば、そのために今、優先して何をすればいいのかハッキリします。会社や目先の成績だけではなく、自分がこれから送る長い人生の中で、今の仕事の意義付けや目標が変わってくると思います。
ちなみに、そんな将来のゴールなんて見えてないという方は?私も人生の目標が明確にあったわけではありませんでした。そんな場合は、まずは目の前の課せられた目標を達成することに全力を注ぐだけでいいのではないでしょうか。そのうち自分の成長に伴い、環境も変わり、ふさわしい出会いもあり、やりたいことが明確になる時期がくると思いますよ。
さて、逆算思考プロセスを営業の仕事で説明しましょう。
今期の目標が売上なのか利益なのかその他色々あるでしょうが、いずれにしろ何かしらの目標(ゴール)をお持ちのはずです。その目標を達成するために、いつまでに何をどれぐらいしないといけないのか?を順に逆算していくと、今月何をしないといけないのか?今週何をしないといけないのか?では今日何をしないといけないのか?が明確になるはずです。これが計画です。
一例として、生命保険の紹介営業の進め方をモデル化すると以下の通りになります。
【紹介入手リスト→アプローチ→ヒアリング→プレゼン→クロージング→契約→紹介依頼】
をぐるぐる循環します。
このプロセスにおいて、経験上自分の現状の営業スキルから目標達成するためには各プロセスを何件ぐらいしなければいけないのか分かっていれば逆算できます。(質と量の問題ですね)
例えば、今月の目標を契約10件とすると、クロージングは14件必要、クロージング14件するためにはプレゼンを20件しなければならない。プレゼン20件するためにはヒアリングを30件しなければならない。ヒアリング30件するためにはアプローチを50件しなければならない。そしてアプローチ50件するためには紹介入手を150件しなければならない、となります。
つまり当月の月初に150件の紹介入手ができていないと月末での目標達成はほぼ不可能だとわかります。これが逆算思考です。
では、まず優先して行わなければならないことは?そう、月初に紹介入手リストを150件揃えることです。ではそのためにどういった行動を起こさなければならないのか?どれぐらい行わなわなければならないのか?「何」を「どれぐらい」ですね。それを月、週、一日に振り分けると行動計画の出来上がりです。
あとは粛々と毎日計画通り行動を行えば、月末には目標達成している確率が高いです。
これが目標達成の逆算思考プロセスです。営業をプロセスに分解し、何をどれぐらい行えば望む目標が達成できるのか逆算し、計画し、実際に行動する。何回かやればデータが蓄積されますので、より達成の確率が高い計画が立てられるようになります。ぜひやってみられることをお薦めします。
『厳しいプロは、高い目標を掲げ、それを実現することを求める』 by P・F・ドラッカー
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