ジョブ・クラフティング やりがいのある仕事に変える

高橋です。

 

私がコンサルティングをしている『営業プロセス研修』のエッセンスを、毎回お伝えしています。

 

今月のテーマは「ジョブ・クラフティング やりがいのある仕事に変える」です。普段のお仕事、楽しいですか?そう聞かれて、「全ての業務が楽しくてワクワクしている」と答えられる人はどれぐらいおられるでしょうか。「気乗りしない」とか「やらされ感が・・・」と感じる仕事は誰にでもあるのではないでしょうか。今回はそのような仕事を、どうすればやりがいや満足感を高めることができるのか、ご紹介します。

 

ジョブ・クラフティングとは、イエール大学のエイミー・レゼネスキーとミシガン大学のジェーン・E・ダットンによって提唱された概念で(Wrzesniewsk & Dutton 2001)、「課題や対人関係における従業員個人の物理的又は認知的変化」と定義されています。

言い換えれば、仕事のやりがいや満足度を高めるために、自分の働き方に次のような工夫を加える手段のことです。(厚生労働省のHPより)

 

作業クラフティング(仕事のやり方)

仕事の中身がより充実したものになるように、仕事の量や範囲を変化させる工夫

 

➁人間関係クラフティング(人との関り方)

仕事で関係する人々との関わり方を調整することで、サポートや前向きなフィードバックをもらい、仕事への満足感を高める工夫

 

➂認知クラフティング(仕事の捉え方)

仕事の目的や意味を捉え直したり、自分の興味関心と結びつけて考えることで、やりがいを感じながら、前向きに仕事に取り組む工夫

 

順番に詳しく見ていきましょう。

 

作業クラフティングは、仕事のやり方にちょっとした工夫を加えたり見直しをすることです。例えば、目標設定や優先順位、スケジュール管理を見直すことで「効率が良くなった」「生産性が上がった」などプラスになると、その行為自体が自信や充実感につながります。

小さな目標を決めて一歩一歩達成感を味わう、ToDoリストなどあらかじめ1日のスケジュールを立ててその通りに進める、どうすればムダを減らせるか普段の業務の棚卸をしてみる、などが具体例です。

 

➁人間関係クラフティングは、周囲の人との関係を見直すことで、接し方やコミュニケーションを工夫して良い人間関係を築き、個人的にも組織全体においても仕事に対する満足感を高めることを目指します。例えば、チームワークの醸成やホウ・レン・ソウによる情報共有を行う、信頼関係を構築するために自己開示を行ったり業務以外でも雑談などを通じてコミュニケーションを活発化することがあげられます。

関係の質が向上すると、パフォーマンスも向上し、結果として個人にとっても組織にとっても業績に良い影響を及ぼします。

 

認知クラフティングは、自分の仕事をどのように捉えるかです。自分のやっている仕事が社会にどんな影響をもたらしているのか、誰の役に立っているのか、自己の成長にどんな影響があるのかを考えることです。同じ仕事をしていてもどんな心理で仕事に取り組むかによって、心の充実感は変わります。

研修で「何のために仕事をしていますか?」と問いかけると、多くの方(特に若手の方)は「お金を稼ぐため」とお答えになられます。次に「お金がもらえれば、なんでもいいんですか?」と尋ねると「ん~、いいえ」と答えが返ってきます。自分は何のためにこの仕事をしているのか、この仕事を通じて何を成し遂げたいのか、誰の役に立ちたいのか、など仕事の捉え方を自分なりに整理しておくことが大切です。

 

このように自分の仕事を3つの視点「作業クラフティング」、「人間関係クラフティング」、「認知クラフティング」で捉え直すことにより、気乗りしない、やらされ感のある仕事を、やりがいのある仕事に変えることができるアプローチ手法です。「仕事だから仕方なくやる」状態よりも、自分で働き甲斐を見つけ、主体的に取り組む方が個人にとっても組織にとっても良いことは明らかです。ジョブ・クラフティングが有効であることが知られていますので、ぜひ取り組んでみられることをお薦めします。

 

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